落とせない金銭感覚

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監修:國弘 泰治
國弘泰治

経歴
MBA・FPオフィスALIVE代表
2011年4月大手流通企業入社するも3か月で退社する
2011年7月実家の酒造会社で販売部門へ入社し、同年9月に店長となる
2014年9月酒造会社を退職し、福岡の投資マンション販売企業に入社し、1年半で退職する。
その後フリーターをしながら、FP資格を取得し、2017年10月にFPオフィスALIVEを開業し、2021年4月に事務所名がMBA・FPオフィスALIVEとなり、現在に至る。

取得資格
MBA(経営学修士:2011年)、2級ファイナンシャルプランニング技能士、AFP(日本FP協会)、日本学生支援機構認定スカラシップアドバイザー

ホームページ
https://fp-office-alive.amebaownd.com/

落とせない金銭感覚

夜の世界で働き始めたことにより、周りにいる人間は金遣いの荒い人達ばかり。日に日に金銭感覚が狂っていきます。

一度上げた生活水準を戻すことは容易ではなく、上げてしまった水準を満たす為にまた借入。そんな毎日でした。

この頃まともな【友人】と呼べる存在がいなかった私に二人の【友人】ができます。その二人もまた、借金持ちでした。

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三ケタ稼ぐ嬢

夜の仕事を始めるといろんな人と出会うようになります。

一晩で三ケタ支払うお客さんにも驚きましたが、月に三ケタ稼ぐ嬢もザラにいて、キャバクラに入った当初は【一体どんな生活をしているんだろう】と、興味津々でした。

出会うと言っても皆【本音と建て前】を上手に使うし、あっちでいい顔こっちでいい顔する【八方美人】がウジャウジャいる世界。

基本的に誰も信用はできません。ですが中には昼間も働いて、夜はキャバクラでバイトという、しっかりとお金を貯める目標を持って働いている子もいました。

働くことが嫌いな私からすると、年齢もさほど変わらないのに本当にすごいなと思いました。

しかしそういった子は少数派で、キャバクラで働く多くの子は、彼氏に貢いでいたり、ホストにはまっていたり、私の様に借金があったり・・・と、大きな声では言えない理由がある子の方が断然多かったです。

ホストに貢ぐ

前の記事にも書いたように、私は毎日出勤していたわけではないので売上上位争いにはもちろん興味もなく、指名されるとめんどくさいなーと思いながら席につくようなダメ嬢でしたが、毎日出勤している嬢同士のTOP争いはとても激しかったのを覚えています。

その子たちは月に三ケタ稼ぐ、うちのTOP3で、私は足元にも及ばない存在だったのですが、三人ともホストに貢いでいました。

毎月三ケタのお金を全てホストにつぎ込むとは大したものです。ホストに行きたいから仕事を頑張っている。

お互いを騙しあい、客を取り合い、悪口陰口なんて日常茶飯事で、やり方はとてもきれいとは言えないけどお金を稼ぐ為に必死になっていました。

そんな必死になっている姿を見て、私も【頑張って稼ごう】という気持ちが湧けばよかったんですが、湧かなかったんですね。

借りることに慣れてしまったから【頑張らないと返せない】という気持ちではなく【借りたらなんとかなるか】と危機感を感じることなくダラダラと過ごしていました。

その後三人中二人は風俗嬢になりました。毎月三ケタ稼いでいるのにそれでも足りなかったんですね。どんな金銭感覚だったのでしょうか。毎月三ケタ稼ぐ人の金銭感覚は、私には一生味わえそうにありませんが、普通の生活はできないでしょうね。

私は何回かホストクラブへ行きましたが特に魅力は感じませんでした。その三人を見て【ホストにはまったらお金がかかるな】と知っていたからなのか、はまらないように体の防衛本能が働いたのかもしれません。

今思い返してみると、当時借金まみれの生活でしたが彼氏とは順調でした。お金はないけど愛に満たされていたからはまらなかったのかもしれませんね。

【寂しいから】という理由でホストへ行くのは危険だと思います。注意しましょう。

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買い物依存症

夜の世界にも慣れてきたころ、気づけば周りにいる人間は金遣いの荒い人達ばかりとなっていました。

キャバクラの子たちとは相変わらず見栄の張りあいをしていましたが、少しずつ仲良くなっていき、彼氏の愚痴を言ったり、カラオケに行ったりと【普通の友達】のような関係になった子が二人いました。A子とB子です。

仲良くなっていくうちに【どうして夜の世界で働いているのか】そんな話題になっていき、【借金があるから】と、カミングアウトしました。

彼氏以外に借金があることは言ってませんでしたが、不思議と二人には抵抗なく答えたことを覚えています。ただし、金額は30万円とウソをつきました。本当の金額を言ってどう思われるかが怖かったからです。

すると二人にも借金があると分かりました。金額はA子が60万円。B子は150万円。本当の借入金額なのか、私のようにウソをついて少なく言ったのかは分かりませんでしたが、【お互いに借金がある】ということで私たちは一気に距離が縮まりました。

パチスロを覚え、借金をして、キャバクラで働くようになってから、高校時代に仲の良かった友人とは疎遠になりつつあったので、同世代の女友達ができたのはすごく嬉しかったです。

A子とB子はほぼ毎日出勤していたので【二人がいるなら私も出よう】と、出勤日数が増え、嫌々行っていた仕事が楽しくなっていきました。

また、二人はギャンブルに興味がなかったので私もパチスロへ行く頻度が少なくなっていきました。

キャバクラで月に30万円程稼ぐようになり、このままパチスロから卒業して地道に返済していけば徐々に減っていくだろう!なんてのんきに考えていましたが、借金は減ることなく相変わらず借りては返すという生活。

なぜなら二人は極度の買い物依存症だったからです。新作のブランド物が出たらすぐ購入していた私も、普通の人からしたら【買い物依存症】に見えると思いますが、私とは度が違いました。

二人はブランド物はもちろん、一着数万円するワンピースや、アクセサリー、靴etcを毎週のように購入。服飾費だけで月に20万円~30万円は使っていたのではないかなと思います。これもまた女の見栄なのでしょう。

当時『そんなに買っていつ着るの?』と聞いたことがありました。答えは『何回か着たらもう着れないでしょ。また同じ服着てるって思われちゃうし。』とのこと。

私はオシャレではなかったので、きっと仲良くなる前は『あいつこの間もあの服着てたな』と思われていたのでしょうね。

そんな二人と一緒にいるうちに、私も安い洋服には目がいかなくなっていき、同じ服を着ている恥ずかしさも身についてきました。そんな恥ずかしさなんて身につけなくていいのに。

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月に40万使う生活

この頃の私は月に40万円~50万円程使っていました。初めてキャッシングしてから1年くらい経ったでしょうか。

欲に任せて高給な洋服やバッグを買ったり、身の丈に合わないオシャレなレストランで食事をしたり、週に2回のエステと月に2回のネイル。

金銭感覚はどんどんおかしくなっていきました。これくらい使うのが普通だと思っていたので重症です。

しかし、返済日が近づいてくると、おかしくなった金銭感覚も、少し正常に戻ります 【ヤバイ。お金使いすぎた】しかしそう思うのは毎月の返済日直前の一時だけでした。

返済すると借金のことは頭の片隅に追いやって、楽しい毎日です。A子とB子といると毎日が刺激的でいくらお金があっても足りませんでした。

しかし、私たち全員借金持ちです。【お互いに借金がある】と意気投合したものの、実際どんな理由でお金を借りたのか、毎月いくら返済しているのか等は話したことはありませんでした。

私は毎月なんとか返済しているけど、二人はどうやってやりくりしているんだろう。聞きたいけど、聞けない。毎日のように一緒にいて、仲良くはなったけどプライベートに踏み込むのは躊躇しました。

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特別企画:債務整理女子のキャッシング日記【目次】