カードローン審査:個人情報は審査にどう影響する?
個人情報とは
わが国では、もう20年以上個人情報の保護についてさまざまな議論が行われています。
テレビなどでも、個人情報が数万件盗まれたとか、海外のクレジットカード会社から数百万人分の情報が盗まれたというニュースもよく流れているのです。
昔は、郵便受けには大量のダイレクトメールが投函されていましたが、最近ではその数も減っています。それだけ個人情報管理が進んできたことを示しているのです。
しかし、ネット上では今でも個人情報の入った名簿の取引が行われており、自分の情報については充分に注意している必要があります。
カードローンなどにおいても、借入申込書などには個人情報を記入し、それによって審査が行われますので、当然厳重な管理が行われています。
個人情報とは何かという点から見ていくことにしましょう。
個人情報は個人情報保護法で守られている
わが国では、2003年5月に個人情報保護法が成立し、罰則規定も含めて運用が行われています。
カードローンを発行する金融機関である銀行、消費者金融会社などでもその個人情報保護法に基づいて運用が行われているのです。
個人情報保護法では、カードローンを発行する金融機関などは、システムで個人情報を大量に扱っていることから、個人情報取扱事業者と指定されています。
各金融機関は、法律に基づき、適切な個人情報の保護のための対処を行うことが義務付けられているのです。
そのため、カードローン発行金融機関は、システム上情報漏洩が行われないように、社内の体制を改善し、また、外部からのハッキング対策も厳しく行なっているのです。
個人情報は個人を特定できる情報
では、個人情報とはどのようなものをいうのでしょうか。
定義としては、さまざまな要素を結び付けることで個人を特定できる情報を言います。
個人名に住所、電話番号、取引番号などが紐づけられた情報を個人情報というのです。
住所だけ、取引番号だけが借入残高や延滞情報と結びついていても個人を特定することはできないため、個人情報とは言いません。
しかし、銀行も、消費者金融会社、クレジットカード会社もシステムの中には、確実に氏名から生年月日、電話番号、勤務先、住所などと融資履歴、返済履歴などが結びついて管理されています。
従って、このような情報を個人情報と言って、法律で無断使用すること禁じているのです。
カードローン会社(金融機関)の個人情報保護は
カードローンを発行している金融機関では、借入申込書に記入の際には、その情報は審査のために使うと明記されています。
また、ローンカードの発行の際には契約書を発行しますが、その契約書には個人情報保護のための条項が盛り込まれています。
さらに、個人情報はシステムに入力されているため、その情報を誰がいつ見たかという履歴が残るようにしており、情報が漏洩した場合にはすぐにわかるように管理されているのです。
また、外部からデータに侵入ができないように、専用回線で外部回線とは遮断してシステム漏洩が無いようにシステム構築されています。
契約書に記載
カードローンの契約書には、契約者の個人情報については、融資審査(途上与信審査含む)と延滞をした場合の回収行為以外には使用しない旨の条項が入っています。
また、借入申込書と同様、信用情報機関への情報登録を利用者は同意していることも契約書には記載されています。
従って、これらの目的以外にカードローン発行業者が個人情報を使用した場合には法律によって罰せられるのです。
但し、契約時に増額や金利引き下げなどのお知らせメールや電話連絡が行くことを了承した場合にはそのお知らせメールが来ることになります。
信用情報機関の個人情報や延滞・金融事故情報の保護
一方、信用情報機関JICC(日本信用情報機構)には、消費者金融会社などからは融資時と返済時には情報登録が行われます。
また、銀行系カードローンの場合には、銀行系信用情報機関KSC(日本銀行信用情報センター)に登録されます。
また、その融資時には氏名、住所などの属性情報も一緒に登録されているのです。カードローン発行会社以外の信用情報機関にも個人情報が登録されているのです。
そのため、信用情報機関でも、消費者金融会社などとは専用回線で他から侵入できない経路で情報を受け渡しして、個人情報保護法に基づく厳重な情報管理が行われます。
信用情報機関の個人情報の開示請求
但し、消費者金融会社などのカードローン発行会社は、銀行振込や郵便書留などで返済をした場合、それぞれの会社にて手作業で口座を確認して、システムに入力します。
しかし、大手消費者金融会社の場合には、実際に借りている方が百万件単位であり、その中には同姓同名の方もたくさんいます。
従って、同姓同名などで間違って入金処理をしてしまうこともあり得るのです。
そのような場合には、入金された方の口座は入金がなかったことになるため、信用情報機関に遅れ情報として登録されてしまいます。
知らない間に信用情報機関で延滞者扱いになって、他社などに借入にいった際にはそれを理由に審査に落ちることになるのです。
おかしいなと感じた時には、信用情報機関に対して個人情報の開示を求めることができます。
本人確認ができる場合には、それぞれの信用情報機関窓口のほか、スマートフォンや郵送で開示手続きをすることができるのです。
間違って登録されている場合には、誤登録をしたカードローン会社に行って修正をしてもらいませんと、いつまでも延滞情報が残ることになります。
信用情報は審査と回収以外に使用できない
カードローンにおける個人情報は、基本的には審査と延滞をした場合以外には、使うことはできません。
延滞をした場合には、他の借入において正常に返済されているか、また、住所などが変更されていないかなどを確認するため、信用情報機関に問い合わせるために使用されます。
不正使用に対する罰則
個人情報保護法が制定される前などにおいては、人事課などで社員情報として信用情報機関から情報をとることもありましたが、現在ではそれはできません。
個人情報にアクセスした場合には、全て履歴が残ることになっており、それらの行為も監視されているのです。
また、信用情報機関も加盟企業が不正に情報を取得した場合には、情報提供の停止などの措置がとられるようになっており、最近ではそのような事例はほとんどなくなっています。
カードローン審査における個人情報の取扱い
消費者金融会社のカードローン審査においても、個人情報については、紙ベースのものは残らないように処理されており、スタッフが持ち出すこともできません。
無人店などでは全て紙ベースのものは処分されており、次の人が持ち出すこともできないようになっているのです。
但し、ATMなどの明細書を不用意に周辺に捨てている場合には、ご本人の責任になりますので注意してください。
消費者金融系カードローン審査における個人情報とは
カードローン審査における個人情報は、情報保護の面があると同時に、審査における大きな判断要素となっています。
すなわち、借入申込書に記入或いは入力された個人情報は、カードローン審査においては重要な属性情報として使われるのです。
すなわち、カードローン審査は、申込まれた方の返済能力を測定するものであり、借入申込書に記入された個人情報は属性情報として重要な判断データとなるのです。
カードローン審査における個人情報とは属性情報?
消費者金融系カードローンにおいても、銀行系カードローンにおいても借入申込書に記入された項目を審査することにより、融資可否を決めます。
大手消費者金融会社の場合には、その中からいくつかの属性項目を選んで入力し、或いは確認をすることにより、スコアリングシステムから自動的に融資可否、融資限度額、融資金利などを決めているのです。
銀行などは、借入申込書に記入された項目を細かく調査確認するとともに、資産保有状況や収入の継続性(勤務先など)を重点的に確認して、自行の優良顧客になり得るのかを審査します。
すなわち、個人情報という属性情報は非常に審査においては重要な判断材料になるのです。それだけに、その情報の流出には大きな注意が払われます。
大手消費者金融会社のカードローン審査はスコアリングシステム
大手や準大手消費者金融会社のカードローン審査は、スコアリングシステムによって行われています。
このスコアリングシステムは、大手消費者金融会社が過去に融資した1千件を超える融資データとその返済情報、融資を受けた利用者の属性情報と組み合わせて、膨大なパターンを作ることから始まります。
このパターンごとの延滞や金融事故に至る確率を求めて、そのバターンの示す確率からスコア化(得点化)を行い、そのスコアごとに融資可否、融資限度額、融資金利を決めているのです。
スコアリングシステムは統計的な手法によって算出された高度な審査技術と言えます。
従って、そのスコアリングシステムにおいて、利用者の個人情報である属性情報は、審査基準となるパターンを作る上でなくてはならないものなのです。
カードローン審査における個人情報(属性情報)の使い方
大手消費者金融会社のカードローン審査における個人情報は、このようにスコアリングシステムに入力して自動的に結果を出すために使用されます。
但し、中堅・中小消費者金融会社の場合には、スコアリングシステムはないため、借入申込書に記入された項目のできる限りの確認と、店頭の担当責任者の経験による目の審査になるのです。
電話帳による確認、住民名まで記載された住宅地図などによる確認なども行われています。
大手消費者金融会社のようにデータとして使うというよりも、勤続年数と居住年数の矛盾はないかなどの確認に使うのです。
大手消費者金融会社のカードローン審査における個人情報の使い方とは
大手消費者金融会社カードローン審査のスコアリングシステムにおける属性項目(個人情報)の使い方は、彼らが50年近く融資をしてきた経験に基づいて選択されています。
従って、各大手、準大手でどの属性項目を使うかはオリジナリティがあり、全て同じという訳ではありません。
また、同じ属性項目を使っているからと言って、同じ影響を与えるわけではなく、その影響度合いにも差があります。
また、いくつかの属性項目を使ってパターンを作っているため、一つの項目が悪いからと言ってそれだけで結果が出るわけでもありません。
あくまで、項目間の複合的な組み合わせでスコアが決まるため、一つの大手で審査に落ちても、他の大手では通ることもあり得るのです。
大手消費者金融会社のカードローン審査で使われる個人情報とは
大手消費者金融会社のカードローン審査であるスコアリングシステムで使われる属性項目には差がありますが、よく使われていると言われている項目には次のようなものがあります。
- 職業
- 年収
- 雇用形態
- 勤続年数
- 年齢
- 居住形態・居住年数
- 家族構成
- 健康保険証の種類
これらはスコアリングシステムで返済能力判定として使われる属性項目の代表的なものですが、これ以外にも各大手消費者金融会社で独自の項目を設けている場合もかなりあります。
また、これらの属性項目以外にも、個人情報として、他社借入の残高、返済状況なども信用情報機関から取寄せ、データとして加えられるのです。
また、増額審査の場合には、実際のカードローンにおける延滞状況も重要な要素として使われます。
このように、スコアリング審査においては、全て個人情報によって返済遅れになる確率が算出され、審査結果が決められるのです。
従って、個人情報は審査においては、非常に重要な要素になっていると言えます。
大手消費者金融会社では個人情報保護のための教育が行われる
大手消費者金融会社では、重要な個人情報の扱いについて個人情報保護法に基づき教育が行われ、情報保護意識を常時持てるような体制が構築されています。
また、システム上でも個人情報には社員証カードなどを通さなければアクセスできないようにしており、その閲覧履歴もわかるようにしているため、担当者でも情報を持ち出せないのです。
大手消費者金融会社のカードローン審査における個人情報の確認とは
大手消費者金融会社のカードローン審査では、借入申込書における個人情報全部を確認することはなく、確認する項目を限定しています。
確認するのは、勤務先、借入状況と、借入申込金額が50万円を超えるか、他社借入と合わせて100万円を超えている場合の年収です。
もともと借入申込書への記入には見栄から実際よりも良く書く可能性があります。
スコアリング分析ではそれも含めて返済遅れになる確率が算出されており、銀行などのように全ての項目を重箱の隅をつつくような時間のかかる審査はしないのです。
それは、スコアリングシステムを信頼することにより可能になっています。
その結果、オペレーターによる審査、集中化による自動契約機での多店舗化が可能になり、低コストでの運用ができているのです。
従って、大手消費者金融会社では、審査に決定的影響を与える項目に絞って確認を行なっています。
大手消費者金融会社のカードローン審査における在籍確認とは
大手消費者金融会社に限らず、銀行、中小消費者金融会社においてもカードローン審査で必ず行われているのが在籍確認です。
基本的にはいくら収入証明書で年収が確認されたとしても、実際に申告した勤務先に勤めていなければ、安定した収入とは言えません。
また、大手消費者金融会社のスコアリングシステムでは勤務先での職種も属性項目に入れているところもあり、借入申込書に記入された勤務先に電話をかけることで確認ができるのです。
但し、勤務先への電話は、マニュアルにより審査担当者が個人名で行ない、借入申込みをしていることはわからないようにしますので、職場などの方にわかることはありません。
借入申込書に記載された勤務先に勤めていなければ、審査には通りません。
大手消費者金融会社のカードローン審査における信用情報確認とは
大手消費者金融会社だけでなく、全てのカードローンを発行する金融機関では、信用情報機関に申込みをされた方の信用情報、すなわち、各社別借入残高、返済状況などを審査上確認します。
消費者金融業界にはJICC、銀行業界にはKSC、クレジットカード業界にはCIC(CRTEDIT INFORMATION CENTER)があります。
JICCには業界を越えて加盟が可能になっており、ほとんどの銀行、クレジットカード会社も加盟しています。
また、JICCはCICとキャッシング情報の情報交換も行なっています。
従って、消費者金融会社は、銀行以外の全ての借入情報を見ることができるため、
- 借入申込書の借入情報と大きく違いがある場合
- 借入残高が年収の1/3を超えている場合
- 他社借入において何度も延滞があったり、金融事故を起こしている場合には、審査には通りません。
大手消費者金融会社のカードローン審査における収入確認とは
貸金業法では、融資に対する規制として、
- 融資対象者として安定した一定の収入があること
- 融資は年収の1/3までという総量規制
があります。
大手消費者金融会社のカードローン審査では、借入申込金額が50万円を超えていたり、他社借入残高と合わせて100万円を超えている場合には、年収証明書が義務付けられているのです。
従って、この貸金業法の規定により、収入証明書の提出義務のある方の場合には借入申込書の年収記載が実際の年収と乖離していないことを確認するのです。
年収に乖離がある場合には審査に通らない要因となります。
貸金業法上の個人情報確認
このように、カードローン審査においては貸金業法の規制に基づく個人情報の確認が不可欠になっているのです。
銀行は貸金業法の規制対象には入っていませんので、それを超えた融資は可能です。
しかし、カードローンの場合には、ほとんどが大手消費者金融会社やクレジットカード会社である保証会社の保証が必要であり、実質的には貸金業法の範囲での発行になっています。
但し、自行の超優良顧客の場合には、自行の子会社の保証会社を使ってリスクをとり、貸金業法の規制外の高額カードローンを発行しています。
カードローン審査におけるブラックリストの扱いは?
大手消費者金融会社のカードローン審査では、ブラックリストがあります。
ブラックリストは、2つの意味があり、信用情報機構で金融事故になっている方をいうものと、もう1つが消費者金融会社内部で過去に問題を起こした方のリストです。
社内のブラックリストは、あくまでも社内的な個人情報であり、信用情報機関には登録されていない情報です。
借入申込時に嘘の申告をして断ったり、延滞を起こした時に担当者に暴言を吐いたり、反社会的勢力とのつながりが判明している場合などが該当します。
これらの情報は個人情報に当たるため、自社内のみで共有しているもので、審査時には該当していないか確認が行われるのです。
但し、これも個人情報としてコンピュータにデータとして掲載しているもので、外部流出しないように厳重な管理が行われています。
銀行系カードローン審査における個人情報
消費者金融会社と同様に銀行系カードローン審査においても、個人情報は重要な役割をしています。
銀行系カードローン審査での借入申込書の個人情報の扱い
銀行のカードローン審査においても、個人情報の扱いは大手消費者金融会社と同様に厳重な管理が行われています。
銀行は金融庁の監視下にあり、特にコンピュータの障害などや情報流出を起こした場合には改善命令が出されるため、厳重に管理が行われているのです。
銀行系カードローンには審査ノウハウはない
但し、銀行は消費者金融会社のスコアリングシステムのようなカードローン審査ノウハウはなく、長い時間をかけている割には甘い審査になっています。
結果として保証会社審査も含めて通る方は少なく、申し込む方にとっては時間もかかり、厳しい審査と言われています。
しかし、実際には、カードローンの返済能力測定審査としてはノウハウがないために甘い審査となっているのです。
銀行系カードローンの借入申込書には、消費者金融会社の項目に対して不動産資産や金融資産を記入する欄が設けられている場合が多いです。
銀行にとって、カードローンは優良顧客囲い込みの手法となっている面もあり、まず、不動産資産や金融資産の確認を行ない、それが多くある場合には超優良顧客として、自行でリスクをとって(実際には子会社の保証会社がリスク)、高額カードローンを発行しています。
優良顧客以外の審査
一方、そのような資産のない方の審査では、保証会社に保証を依頼する前に借入申込書の項目について時間をかけて慎重に確認作業を行います。
他社借入、勤務先はもちろん、その他の個人情報である属性項目についても細かく確認を行なうため、時間がかかるのです。
収入が少なかったり、住居が良くない、居住年数や勤続年数が短い場合などには保証会社に行く前に断りになります。
また、保証会社は貸金業法の規制対象者には保証をしないため、それらの方は早めに断りになります。
銀行系カードローンなどで最短の審査時間と記載されているのは、このような対象者でないことがすぐに判明する場合であり、実際の審査はかなりの時間がかかるのです。
銀行系カードローン審査における個人信用情報の確認は厳しい
このように、銀行系カードローン審査は非常に甘い審査になっていますが、一つだけ大手消費者金融会社などよりも厳しい場合があります。
それは、金融面の信用情報調査です。
消費者金融会社の場合には基本的にはJICCとCICの借入情報だけの確認になります。(アコムはACマスターカードを発行しており、ショッピング情報も入手可能)
しかし、銀行は、JICC、CICの他に銀行業界のKSCの情報も見ることができます。
さらに、ほとんどの銀行がクレジットカードも発行しているため、CICのショッピング情報も見ることができます。
KSCやCICの延滞情報は、JICCのようにいつ、何回、理由などの細かい情報がなく、昔から粗い情報により、延滞情報があれば、内容は関係なく断りにする習慣が続いているのです。
消費者金融会社の場合は、延滞でもたまたま期日を忘れただけの場合などは考慮されて審査に通りますが、銀行では通りません。
銀行では自己破産は10年間借入できない
また、KSCの場合、自己破産や個人再生法の申請をした方については10年間情報登録が残ります。
JICCやCICの場合には5年で情報は消えますので、5年を過ぎれば、信用情報期間の登録がなくなるため、消費者金融会社やクレジットカード会社の申込みが可能になります。
しかし、銀行系の場合には10年間を過ぎませんと申込みができないのです。
しかも、申込みができないのはカードローンだけでなく、住宅ローンやフリーローンなども同じです。
従って、金融面の信用情報審査は銀行の場合には、消費者金融会社などよりも厳しくなっています。
銀行系カードローン審査における保証会社の個人情報の扱い
基本的には、銀行系カードローンの保証会社は、大手消費者金融会社やクレジットカード会社であり、全て貸金業法の対象業者であり、個人情報の扱いについては直接の申込みの場合と同様、厳しく管理されています。
銀行の子会社の保証会社も同様で、しかも金融庁の銀行の子会社管理の監視にも含まれているため、個人情報が漏れることはありません。
カードローン審査における個人情報の扱い
カードローン審査における個人情報の扱いについてカード先進国の米国の状況も含めて見てみることにします。
米国における信用情報機関の持つ個人情報は網羅的で税金滞納もある
日本の信用情報機関の情報は基本的に借入、クレジット情報に限られていますが、個人情報先進国の米国の場合は、さらに多くの情報が含まれています。
借入、クレジット情報だけでなく、税金や公共料金などの金額、支払い状況なども含まれて、個人情報としては網羅的になっています。
そのために、借入申込者の審査にも大きな影響を与えているのです。
米国の個人信用情報の扱いは日本よりも緩くなっている
信用情報機関の情報を利用しようという動きは古くから行われています。
1980年代後半からは、このような信用情報機関の情報はDM発送に使われて来ました。
非常に網羅的に情報があるために、事前に仮審査を行なって、それに通った方を対象にカードローン、クレジットカードの勧誘DMが大量に送られているのです。
すなわち、日本などに比べて個人情報規制が古くから行われた反動から、その運用はかなり緩くなっているのです。
日本の個人情報保護は厳しい
それに対して、日本の個人情報保護法は21世紀に入ってから制定されただけに、その運用は非常に厳しく実施運用されています。
融資審査、回収以外でその情報を使うことは法律だけでなく、信用情報機関自身においても厳しく制限する規定が設けられているのです。
日本のカードローン情報は使用範囲が契約書で限定されている
また、日本のカードローン契約書では、個人情報の使用範囲が規定されており、審査、回収以外の目的で使用はできませんし、親子関係にある企業間でも情報の共有はできません。
新たにスコアリングシステムを外部に開発依頼する場合でも、個人を特定する氏名や住所などを除いて、会員番号だけの属性情報を使って行わなければならないのです。
日本のカードローンにおける個人情報流出はほぼない
従って、日本のカードローン業界では、個人情報の流出はここ10年以上は情報の外部流出事件は生じていません。
クレジットカードにおけるフィッシング詐欺はカードローンではない
それに対して、クレジットカード業界では、現在でもフィッシング詐欺と呼ばれるカード情報が盗まれる事件が跡を絶ちません。
それは、基本的にクレジットカードの場合には、利用者とクレジットカード会社の間に加盟店である小売店が介在しているからです。
カードを裏の事務室に持ち込んで、本人の知らない間に暗証番号やカード番号、氏名などが盗まれることもあります。
また、インターネット上のショップには充分な暗証化が行われていなかったり、ショップ自体がカード情報を取るための偽装である場合もあるのです。
フィッシングの背景には、クレジットカードにはICチップが埋め込まれているために、盗みやすいという事情があります。
カードローンの場合にはカードの更新はありませんが、クレジットカードの場合にはフィッシング対策をICチップに施す必要があるために、定期的にクレジットカードの更新が必要になっているのです。
しかし、消費者金融会社のカードローンの場合には、ICチップは使われていません。
銀行系カードローンでキャッシュカード一体型の場合には、ICチップが使われているものがあり、この場合にはカードの更新があります。
まとめ
個人情報の意味やそれがカードローン審査においてどのように使われているのかについてご説明しました。
個人情報は、個人を特定できる情報で、個人情報保護法によって守られています。
カードローンを発行する消費者金融会社や銀行などは、この個人情報保護法に基づいて厳重な情報管理が行われており、個人情報が外部に漏れることはありません。
この個人情報は、カードローン審査においては審査結果を左右する大切な属性情報として使われており、借入審査と回収以外の目的では使うことができないように契約書上でも制限がかけられています。
従って、基本的にはカードローン業界では、個人情報の漏洩はなく、安心してカードを使うことができるのです。
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